現在電波法というものが存在し、国民が特定の周波数帯である出力以上の電波を発することが禁じられている。この法律事体は必要だろう。テレビやラジオを流している周波数で電波を各自が勝手に流されてはたまらない。視聴できなくなる。
問題は周波数帯の占有権が公正に配分されているがどうかだ。
電波の周波数もまた国民皆のものだ。国民や地域住民の共有財産である。共有財産である限り運用が公正に行われるべきだ。
筆者は国土を全て国有化し、使用者に貸し与える形式にせよと主張している。土地は本来誰の物でもなく、皆の物だという発想。電波帯も同様に公有で管理するべきだ。
電波周波数帯の公正な運用とは何か。それは以下である。
1:電波周波数帯の入札制度(電波周波数帯占有権取得の公正)
2:電波を用いた放送内容への視聴者による監査(電波周波数帯運用の公正)
それぞれを説明する。
おそらくは、ほとんどの読者氏は放送会社の関係者ではないだろう。よって特定の周波数の電波をある出力以上で発することは認められない。認めさせる手段もない。
不公正な話だ。電波が皆のものなら、読者氏にも発信することは認めらるべきだ。正確に言うなら、認められる機会が与えられるべきだ。
筆者は、テレビ放送ラジオ放送用電波の発信権を入札制度とするべきだと考える。国民なら誰でも参加できる入札制度。読者氏に落札する財力と落札後の責務を果たす設備があれば、読者氏も落札できる。
こうなってはじめて公正な電波の運用と言える。
入札を行うにあたって地域別周波数別日付別時間別とするのが望ましい。ある地域の、ある周波数の電波を、何月何日何時から何月何日何時までを入札するわけだ。
こうすればマイナーな放送局の台頭を呼び起こすことができる。例えば毎日早朝や深夜の1時間だけ放送する放送局のようなもの。その放送局が視聴者に認められれば収益は上がり、より視聴率の高い時間帯をより長い時間を落札できるようになる。そのようにして弱小大手あらゆる放送会社がしのぎをけずるようにするのがいい。当然NHKも民営化し入札に参加させる。
そもそも情報の提供は寡占的に行われるべきでない。情報は広くあらゆる存在により発信されるべきだ。
1:とは、言うならば放送の自由化である。
現在、放送内容に視聴者が意見を反映させる仕組みは視聴率調査以外に無い。これは制度として不十分である。そもそも公的な制度ではなく、しかも国民一人一人の意見ではなく視聴率を調査する装置を据えつけた視聴者のみの意見を反映するものだからだ。
電波の周波数帯が公共の資産であるなら、その資産の運用にもできるだけ直接国民が関われるようにするべきだ。つまり、できるだけ多くの国民が直接的に放送内容に関われるようにするべきだ。
筆者は広く国民の意見を聞き反映させるための公的な監査機構をつくるべきだと考えている。監査結果、有害だと判断さえた番組や放送会社や出演者は、時に放映停止となり放送禁止となり出演不可となる仕組み。
監査にあたっては、監査組織の担当者もしくは委員会のようなものが勝手に有害かどうかを判断するのではなく、視聴者からの投票を直接判断結果とするものであるべきだ。つまり放送に対するリコール投票のようなものだ。
例えば、こういう制度。
@ 全国民に放送リコール要求を月に一度行う権限を与える。
@ リコール対象は番組であれ、放送会社であれ、出演者であれかまわない。
@ リコール投票は個人を判別できる文書(免許証、保険証など)があれば、市役所やその出張所でいつでも可能にする。ネットで個人の判別が可能になれば、在宅投票が更に望ましい。(市役所には基本的な公務を代行する24時間動く機械を置いてもらいたい。)
@ 放送電波の視聴が可能な範囲にいる視聴者のうち、十分の一の投票でリコールが成り立つ。
@ リコールが成立したのが放送会社なら一カ月の放送禁止かつ入札への参加禁止。番組なら終了。出演者なら一年の出演禁止。
こういう形で国民の意見を直接反映させるわけだ。こういう制度をしけば、国民にとって電波運用面での公正さが実現する。国民意識から逸脱した身勝手なイデオロギーの押し付けなような放送は消滅する。
2:とは、言うならば放送の民主化である。
公的媒体もまた権力である。というか、現在これほど強大な権力はないとすら言えるだろう。ここまで強大な権力である点から見ても、その運用は公正に行われるべきだ。電波の使用を、一部の放送会社の担当者に貴族的な権限を与え独占的に運営させるのではなく、広く国民に運営させるようにするべきだ。
土地にせよ電波周波数にせよ、限られた資産である。限られた資産であるかぎり、国民で分け合い公正に分配運営していくべきだ。