国体創造 - 3 国防に関する提言

3.6 軍事費をGDP比4%程度にするべき

[執筆日:H12/3/21]

1 適度な国防力(国防費)を導き出すことは困難

 「妥当な国防力(国防費)はどの程度か」という設問に対して明瞭に答えきるのは困難だ。「最低限の防衛力」などと言う言い回しをする者もいるが、どういう状態が具体的に最低限なのか不明瞭だ。
 「妥当な国防力(国防費)はどの程度か」という設問は、「どの程度の規模の侵略に耐えうる国防力を持つべきか」という設問でもある。対応規模に関しては大雑把に以下の前提がありうる。

(1)北朝鮮の侵略に耐えうる国防力
(2)支那の侵略にアメリカの力を借りて耐えうる国防力
(3)支那の侵略に独力で耐えうる国防力
(4)支那ロシア連合軍の侵略にアメリカの力を借りて耐えうる国防力
(5)支那ロシア連合軍の侵略に独力で耐えうる国防力
(6)支那ロシアアメリカ連合軍の侵略に独力で耐えうる国防力

 現在の国防力は(1)ないし(2)程度だろう。
 原則論から記すと、日本の防衛力は少なくとも(6)が必要である。
 大東亜戦争の要因となった日本へのABCD(アメリカイギリス支那オランダ)包囲網。日本はこういった国々と戦って自国の領土を守りうるほど軍事力はなかったため、結局空襲や広島長崎への原爆投下といった大量虐殺を許してしまい主権侵害を許す結果となった。この結果をふまえ今後こういった凄惨な虐殺を防ぐには、少なくとも(6)が必要ということになる。
 しかし現実的に(6)は不可能であろう。GDPの半分を軍事費に使っても無理かもしれない。というか全面的な対米戦を戦える国は地球上にない。

 とすると国防についての現実的なあり方は「一般的な先進国程度の国防努力を行うこと」かつ「当面の対米軍事同盟」につきるように思う。本来(6)であるべきなのだが現実的に不可能。ならば人並み程度の国防を行うしかないだろう。ざっくばらんに言えば、できることをできる範囲で行うしかないだろう。
 更に言えば日本が人並みに国防努力を行えば(5)程度なら可能のように思う。(5)が可能ならアメリカ常備軍を日本のみならずアジアから追い出すことも夢ではない。

2 平和とは血と金の代償で勝ち取るもの

 要するに筆者の主張とは「先進国が一般的に行っている程度の国防努力を行うべきだ」というものだ。先進国は普通4%前後を国防費にあてている。もちろん中進国後進国はもっと多い。それに比べて日本はわずかGDP比1%しか国防努力を行っていない。言うまでもなくダントツに世界最低レベルだ。(北欧あたりの国にGDP比2%という国があるが、それでも日本の倍である。世界唯一コスタリカという国防を行っていない小国があるが、あまりの小国ゆえ軍隊の所持が無意味だからに他ならない。)つまり日本人は普通の先進国国民の四分の一程度しか国防義務を果たしていないわけだ。

 おまけに金を出さない癖して、ヘーワなるものについては人一倍豚のように貪欲だ。ヘーワ、ヘーワと餓鬼のように要求する。つまりは↓こういう発想。

「人一倍のヘーワをたっぷりとたらふく俺たちに寄越せよな。金は人並みの四分の一程度しか出さんけどな。」

 この底なしの図々しさは、ほとんど豚やんけ。
 ヘーワ欲しけりゃ、軍隊に入るなりしてちゃんと国防義務を果たせよな。それすら嫌ならせめて、それなりの金を払えよな。多くの日本人はヘーワが、ただだと勘違いしている。
 平和とは血と金の代償で勝ち取るものなのだ。

3 軍事費をGDP比4%程度にするべき

 国防費を現状の4倍程度にするべきだ。
 一挙に軍事費4倍などと言うと、サヨクあたりから「グンコクシュギシャ」という罵声が聞こえてきそうだ。「国防費を現状の4倍程度にするべき(=先進国が一般的に行っている程度の国防努力を行うべき)」という主張をする人間をグンコクシュギシャと呼称するのであるのなら、先進国に暮らす人々は全て「グンコクシュギシャ」ということになる。これに「その通りだ。先進国の連中は全て軍国主義者だ。」というなら、まあ何とでも呼んでくれと言う以外に無い。筆者は先進国に暮らす人々が持つ普通の常識があればそれでいい。

4 「日本はアジア諸国から信用されていないから国防力を制限するべき」という妄言

 「日本は欧米先進国と同じ程度の国防努力を行うべき」という筆者のような言い草に対して、「日本はアジア諸国から信用されていない」という言い草で、日本は欧米と同様な軍事力をもつべきでないと主張する者もいる。(いつもながら韓朝支トリオをアジア諸国と呼称し自分の主張の権威付けを行う阿呆にはうんざりだ。)あらゆる観点から完璧なまでに妄言だ。なぜか。

妄言である理由1:「近隣国」からの信用の有無が国防を制限する根拠にはならないから

 そもそも「近隣国から信用されていない」などという事柄(この前提自体も間違っているが)が、国防を制限する理由にはならない。むしろ自国を露骨に信用していないなどと明言するような国が近隣国にいるのなら、より重厚な国防が必要になる。
 イラクイランはお互いに全く信用していないが、両国とも国防を充実している。インドとパキスタンもお互いに全く信用していないが、両国とも国防を充実している。「近隣国」などから全く信用されていないが国防を行っている。そもそも国防とは「近隣国の理解」の上に進めるものではない。国防とは近隣国からの侵略を防ぐためのものだからだ。あたりまえの話だ。

妄言である理由2:日本は支那やロシアに比べればはるかに信用を得ているから

 「日本は近隣国から信用されていない」という前提自体が間違っている。
 「近隣国から信用されていない」ことが国防を行うべきでないという理由になるのなら、共産支那やロシアはなどは特に国防を行うべきでないことになる。両国とも近隣国からことごとく全く信用されていない。ロシアは、トルコや旧ソ連邦諸国や日本などから全く信用されていない。共産支那はインドやカンボジアやベトナムやロシアなどから全く信用されていない。さんざん支那やロシアの侵略に合いつづけたわけだから当然だが。
 日本は支那のような侵略虐殺植民地支配真っ只中国家とか、ロシアのような北方領土侵略支配真っ只中国家と比べれば、はるかに信用されている。というか何をされても馬鹿正直に条約その他を守りつづけるので、ほとんど馬鹿同然だと舐められていると言うべきだろう。アメリカが滞納しまくり支那などごくわずかしか納めていない国連の分担金を、日本は常任理事国でもないのにたらふく律儀に支払い続ける点など。

 国同士の関係に信用だの友情だのがありうると考える脳天気君は、この世で一部日本人のみだろう。ODAを貢ぎ続ければいつかは「信用」が得られると信じる脳天気君。国際関係においてあるのは「信用したふり」、「信用していると明言しておいたほうが得であるという打算」、「信用できないと明言しておいたほうが得であるという打算」などというもののみだ。

5 現在の四倍の国防費を何につかうか

 国防費を四倍にして何に使うか。筆者は軍事に詳しくない。筆者に詳細な国防のありかたを論じる能力は無い。ただ、いずれにせよ以下の点についての充実は不可欠だと思う。

@ 兵員宿舎など兵士(自衛官)の大幅な待遇改善。
@ 複数の大型核武装原子力潜水艦の所持。
@ 複数台の偵察衛星。
@ 兵員あたりの戦闘力増強のための徹底したハイテク化機甲化ロボット化。
@ 通信インフラの整備。
@ 次世代国防技術の研究。(自動戦闘システム、ミサイル迎撃、光学兵器の研究など)

 今までたまった累積赤字の償還以外に、以上に金を使う必要があると思う。もちろん金を投じるばかりではなく、有事立法などの法整備も不可欠なのだが。

 特に強調したいのが兵員の待遇改善だ。現在の宿舎のオンボロぶりたるや相当のものらしい。在日米軍住宅に膨大な金を投じ邸宅に住まわせておきながら、自国の自衛官をあばら家に住まわせておく現政府。到底まともとは言えない。自衛官には、在日米軍住宅をはるかに越える超近代デラックス宿舎に住んでもらうべきだ。訓練が過酷なのはやむおえないが、訓練後はゆったりくつろいでもらえるようにするべきだ。
 また、筆者は全自衛官に年一度ハワイやグアムでの訓練を行うことを提案する。訓練後や休みの日には、バケーション三昧だ。

 またハイテク化機甲化ロボット化も推し進めるべきだ。
 筆者の目指す究極の軍隊は、味方兵士の死傷者ゼロを実現する軍隊である。いささかSFじみているが、遠隔操作や自動で戦闘を行うロボット兵士や戦闘機械、宇宙空間の衛星など超遠隔地から狙い撃ちをする光学兵器などから構成される軍隊だ。こういう兵器は、今の技術では不可能な点も多いだろうが近未来において実現可能だろう。
 味方の死傷者が圧倒的に少なかったイラク空爆を行ったアメリカ空軍以上に、味方兵士死傷者ゼロを目指すべきだ。
 あえて決め付けるが若い自衛官の一人の命は、繁華街でオヤジ狩りに興じるガキの命より百倍は重い。我々国民は、我々を守る任務に命をかける自衛官の命こそ徹底して大切にするべきだ。いかなる膨大な費用を用いてでもである。

 通信インフラの整備や偵察衛星もはなはだ重要だ。
 大東亜戦争敗戦の要因は物量のみにあるのではない。情報伝達や情報収集を行う技術において、日本はアメリカより立ち遅れていた。暗号は傍受され、伝令は時に正しく伝わらず、そのために時に膨大な損害を出した。むしろ近代になるほど、情報戦の重要性は増えこそすれ減ってなどいない。
 政治的なプロバカンダもまたきわめて重要な情報戦である。これは平時から行う必要があるが、今は衛星放送のような超強力な情報戦の兵器がありながら、むしろ利敵行為のためのプロバカンダに利用されている。


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