文化大革命の仏像破壊を思わせる狂態が神奈川県横須賀市で発生した。
海外でも広く知られる日本を代表する行進曲「軍艦マーチ」を後世に伝えようと、市民団体が海軍ゆかりの横須賀市に記念碑を作成した。それに何と建立当時同市担当職員が「好戦的」だとして、歌詞を何者かに命じてコンクリートで塗りつぶさせたのだ。(平成十三年五月十三日産経新聞夕刊)
その担当部課長の言うには、何でも「好戦的で平和産業都市が旗印の横須賀市にふさわしくない」からコンクリートで塗りつぶさせたらしい。市民に対して好戦的に喧嘩を売っているのはおまえだろう。
こういう異常な検閲愛好者が集まって政党を作り万一与党となると、「ナントカ主義にふさわしくない」などと言いだして、例えば東大寺大仏殿、銀閣寺、名古屋城、伊勢神宮などを破壊しコンクリートで埋め始め、古事記や源氏物語や平家物語が焚書とされることになるわけだ。東大寺大仏殿を「シューキョーはマヤク」と叫んでコンクリートで埋め、銀閣寺を「ケンリョクシャがサクシュして建てた物」などと叫んでコンクリートで埋め、名古屋城を「ホーケンテキだし、城はセンソーの建物」と叫んでコンクリートで埋め、伊勢神宮を「テンノーサンビの建物」などと叫んでコンクリートで埋め始める。
読者は荒唐無稽と笑うかも知れぬ。とんでもない。実はこういう狂態は、異常なイデオロギーで頭をヤられた人間の支配する社会体制ではおうおうに起きてきた。
今現在タリバンでは「イスラム国家にふさわしくない」と叫んで仏像破壊に興じている。文化大革命時代の支那では「社会主義国家にふさわしくない」と叫んで膨大な仏像破壊を行った。そして日本でもサヨク役人が「平和産業都市にふさわしくない」と叫んで軍歌をコンクリートで塗りつぶしている。全て思想で頭の配線が壊れた異常者である。
現在の公園管理課は「旋律だけ顕彰して何が悪いのか。好戦的な歌詞では市民の理解は得られない。」などと言っているという。アホか。記念碑を建立したのは「市民」だろうが。建立した人間は「市民」ではないとでも言うのか?おまえに賛同する人間のみが「市民」ではないのだ。
「まーちんぐ・まーち」で日本レコード大賞を受賞した作曲家の服部公一氏は「常識的に考えて歌詞と旋律は不即不離だ。軍艦マーチは作曲者が歌詞に感動したところから曲が生まれた。」と語っているという。まったくその通りだろう。おうおうに歌曲とはそういうものだ。
建立した市民団体は市長の許可を得て三笠公園に記念碑を建立している。市長の許可証には歌詞削除の指示など無かった。役人が勝手に市民団体に歌詞を書くなと指示し、勝手に命令違反だと騒ぎ立て勝手にコンクリートで塗りつぶしたのだ。出すぎたマネもいいかげんにしろ。
役人が、市長や市民を無視して思想的に気に入らない文化を破壊するなど異常極まりないことだ。こういう、気に入らない歌を焚書にするような異常な官僚は、「民主国家にふさわしくない」。よってコンクリートで塗りつぶして公職から除外することが必要だ。
日本海海戦の主力戦艦三笠は記念艦として横須賀の三笠公園に保存されいている。それをレポートしたページ。
このページに、本編で記している「塗りつぶし記念碑」が写真入でレポートされている。
ちなみに筆者もここを訪れたことがある。戦艦に乗るなどというめったにできない体験ができる。武器を含むあらゆる優れた機器がそうであるように、三笠もまた機能美と装飾美が見事に調和している。