かつて民社党という政党があった。
旧社会党(現社民党)にあるあまりにひどい無責任な現状や、あからさまな支那や北朝鮮などへの迎合ぶりに呆れ果てた社会党有志が、社会党から離脱してできたのが民社党だ。かつて自民党の汚職体質を批判する自民党有志が自民党を離脱し、新自由クラブを結成したのと同じ構図である。
民社党は弱小政党ながら福祉政策などを積極的に政府に提言するなどし、現在の日本の社会保障制度の確立に貢献した。ナンデモハンタイ社会党とは異なり、影の内閣を組織し、具体的に提言を行う責任政党を目指した。
しかしながら、選挙における得票数は一貫して減りつづけた。一方、社会党は伸びたり縮んだりを繰り返した。(最後には与党に組しほぼ瓦解したが。)
なぜ民社党の得票数が減ったのか。それは民社党は反自民票を取り込み切れなかったからだ。反自民系の有権者にとり、社会党のほうが反自民というカラーが鮮明だったのだ。なぜ、このように見えたのか。
それは社会党が無責任な放言に終始してきたからだ。ひたすら無責任な放言により与党と対決すれば、確かに与党と戦っているかのような図式になる。一方、国民の利益を考えて是々非々で与党と付き合えば、与党と戦っているかのような図式にならない。
民社党の大内委員長が、テレビ演説で民社党が票を得ないというのは、どう考えてもおかしいという主旨で嘆いていたのを見たことがある。本音だろう。まさにどう考えてもおかしい。国民の利益を考え誠実に政策に取り組むほど民社党の票が減り、全く不誠実な放言に終始してきた社会党が得票を減らさないのだから。泣きたくなるに違いない。
つまり、野党は政治に不誠実であるほど票を得て、誠実に取り組むほど票が減るという馬鹿げた現状になっているのだ。これでは、ある意味社会党も酌量の余地がある。誠実に政治に取り組めば、票が減るのだ。リップサービスばかりの無責任な放言に終始するのも当たり前だ。
そして社会党もまた、政権参加のため自衛隊合憲、国旗国歌容認など責任政党になると一挙に得票数を落とした。山は動いたのだ。その結果、反自民票のいくつかがいよいよ共産党に流れるようになった。結局社会党は、抵抗政党としての価値しか認められていなかったのだ。
不誠実であるほど得をする構図。なさけない話だ。民主制における最悪の構図だ。
要は、一部有権者の反自民などというスタンスが腐っているのだ。何にハンタイするのかではなく、何に賛成するのかが重要なのだ。自民党が嫌だからと言って、共産党みたいな独善独裁弾圧粛正隠蔽政党に投票してどうする。日ごろ食べているものがまずいからと言って、大便を食べるようなマネだ。どてらいにも程がある。
左翼をサヨクに退化させた要因の一つは愚鈍な有権者にあるのだ。とはいえ、マスコミが愚鈍な政治宣伝をするので有権者が愚鈍になるのも無理も無いのだが。
野党となった社民党も、最近再び国旗国歌ハンタイに反動した。かつての夢をもう一度というわけだ。これが得票増大に有効な戦略であるという点が、なんともなさけない。
「野党はサヨクとなってハンタイハンタイの無責任で不誠実であるほど、票が伸びる。」
これが日本の戦後政治なのだ。結局、戦後日本人に無責任で不誠実な人間が多いのだろう。