文化には経済や軍事に負けず劣らず国際的な影響力がある。日本はそれを高めなければならない。優れた文化は国際的な力となりうる。
読者諸兄の中には、ナチスドイツ軍というとワルモノで、アメリカ軍というとそれと戦う正義の軍隊であるかのような考えをもつ人も多いに違いない。
実は、第二次世界大戦当時のアメリカ政府による人種差別的な暴虐ぶりはナチスドイツに匹敵する。
ナチスドイツ:ユダヤ人を強制収容所に隔離
アメリカ :日本人を強制収容所に隔離
ナチスドイツ:ガス室で大量の非戦闘員であるユダヤ人(数百万人と言われる)を殺害。人体実験的な行為もあったという。
アメリカ :原爆投下や空襲などにより大量の非戦闘員である日本人(数百万人と言われる)を殺害。原爆投下には人体実験的な意味もあったという。
ナチスドイツ:ユダヤ人や有色人種への人種差別政策が基本政策
アメリカ :有色人種諸国への植民地支配継続が基本政策
特定民族の人間を強制収容所に隔離するなどという狂った政策。筆者は近代以降これら以外の例を知らない。(日本では逆に、関東大震災による暴動から、朝鮮人を日本軍が保護した例がある。)
人種差別に根差したとんでもない政策を行ったという点はほとんど同じなのに、なぜナチスはワルモノでアメリカはセーギというイメージがあるのか。
それは主にアメリカ映画による宣伝の成果である。
アメリカの娯楽映画は実に面白い。映画のマーケティングも優れている。そういった面白い映画により、「ナチス=ワルモノ それと戦うセーギのアメリカ」という構図を長年世界中で喧伝した成果に他ならない。
「戦場にかける橋」というアメリカ映画(日本軍が、イギリス兵捕虜を強制的に働かせて橋を架けさせるという内容)がある。これを史実と信じる人もいるかも知れないが、全くの作り話と言われている。アメリカはこういう作り話を世界で宣伝流布したわけだ。もちろん映画だから作り話はかまわないという言い草は、ある程度正しいことは認める。
文化の影響は計り知れない。
日本は伝統文化を保守すると同時に、世界で通用するような新しく面白い娯楽文化を創作する国となる必要がある。中には既に世界を席巻している日本の文化も多い。コンピュータゲーム、漫画アニメーションなどだ。
ただ民間にまかせるのみでは、必ずしも国益となるような文化が作られるとは限らない。
そこで筆者が提言するのは、斜陽となってい久しい日本娯楽映画界への製作費用補填である。費用補填の代わりに日本の国益となる映画造りを奨励するのだ。それはもちろん「支那=ワルモノ、アメリカ=ワルモノ それと戦うセーギの日本」という構図の映画だ。もちろん、それは徹底して面白いものであるべきだ。
支那あたりは喚きたてるだろうが無視すればよい。とにかく面白ければ人々は見る。徹底して娯楽として楽しめる映画にするべきだ。
戦艦大和が幕末にタイムスリップしてペリー艦隊を撃破する内容などどうか。
これは上で記した「何かの政治宣伝を行っているかどうかで文化の善し悪しを判断する」にある程度該当するが、なんらかまわない。善し悪しを判断した結果弾圧するというものではなく、特定映画を奨励をするこということだからだ。これは特に問題のある政策ではない。
支那の映画は全部国策映画だし、アメリカもまた政策的に映画界を補佐している。長い伝統を持つ映画に関する学部の存在する大学もある。
アメリカがこういう国策を行い続けた結果、アメリカ映画界は潤い、アメリカの好イメージ宣伝におおいに役立ちアメリカの国益にもなり、人々は楽しい映画を見ることもできた。あらゆる人間が得をしたのだ。ただしドイツ人や日本人は悪宣伝をばらまかれ損をしたが。
一方マヌケな支那の映画など誰も見ない。この有り様は競争のない社会の宿命だろう。日本映画のほうが百倍も面白い。
支那政府や韓国政府などは日本文化を国内で紹介することに強い制限をかけている。この制限を取り払ったら日本の大衆文化(歌謡曲、演歌、コンピュータゲーム、テレビ番組、服飾、漫画など)一挙になだれ込み文化植民地状態になることを知っているのだ。かつてアメリカから、なりふり構わず文化流入させた日本同様に。
すばらしい文化を生み出す国に人が好イメージを持つのは当然だ。支那政府や韓国政府は、国民が日本の文化に触れて日本に好イメージをもつ結果になることを恐れているのだ。政府への不満を日本への憎しみに転化させることが彼らの内政だからだ。特にチベットなど少数民族を弾圧支配する支那では。
一方、戦後野放図にアメリカ文化を流入させた日本では、ジャズの4ビートで頭がスイングしたあげく、「日本は戦後アメリカから民主主義を与えられた」という、アメリカ占領軍から刷り込まれたフレーズをリフレインする大橋巨泉氏みたいな人物を生み出した。
韓国人は剣道や茶道や寿司や盆栽を韓国発祥などと常軌を脱した妄想を世界中で喧伝している。韓国人がこういう狂った文化業績泥棒に精を出す理由もまた、文化というものの影響力が多大だからだ。ウオークマンのソニーが韓国企業であるとか、寿司の発祥が韓国であるとかいうデマが喧伝されれば外国人が韓国人を見る眼も違っている。
ナチスは崩壊したがアメリカは存在し、今なお世界中で主に戦争による悪辣な殺害を続けている。にもかかわらず世界諸国からの反対はそれほどでもない。
これは単なる軍事経済上の影響のみではなく、映画など文化的な影響にもよる。アメリカの強みは単に軍事経済のみにあるのではなく、文化的な影響力(映画、ジーンズなど服飾、ジャズやミュージカル、コカコーラや自動車、コンピュータソフトなど)にもあるのだ。
我が国も世界に通用する強大な文化国家となる必要がある。軍事や経済はもちろんのことだが。