国体創造 - 外交に関する提言

政府は「日本人は脅せばいいなり。」のイメージ造りをやめろ

[執筆日:H12/1/15]
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 強い態度で脅かす人間にはヘコヘコ言いなりになり、弱い立場の相手には居丈高に振る舞う人間。読者諸氏はこういう人間を好きだろうか。全く好きになれないに違いない。その全く嫌悪すべき有り様を、世界中にさらす存在がある。日本政府だ。

* 支那政府の恫喝にびくついて土下座外交と貢ぎ外交をする日本政府。
* アメリカによる恫喝にびくついて捕鯨を制限する日本政府。
* 北朝鮮の恫喝にびくついて米をめぐんでやる日本政府。

 一方日本政府は、強気で恫喝をする外国にはヘコヘコかしずくが、国内の日本国民には恐ろしく傲慢で居丈高だ。

* 大東亜戦争を戦われた旧日本軍兵士などにあらぬ冤罪を押し付け知らんぷりをする日本政府。
* 祖国にために亡くなられた旧日本軍兵士の戦いを悪事と決め付け外国に謝罪するという日本政府。
* 日本国民の税金を毟り取って、外国にばらまく日本政府。

 こういう態度は、「日本人は脅せばいいなりだ。何かを要求する場合、理性的に話すより、居丈高な態度で恫喝するのが有効だ。脅せばびくついて、あわてふためき言いなりになるだろう。」というイメージづくりに貢献するものだ。
 日本政府は一貫してこのイメージ造りに大貢献してきた。

 ペルーでおきた、テロリストによる大使館公邸占拠事件。
 橋本首相はテロリストの恫喝にびくついて、テロリストと一緒になってテロリストの言いなりになるように、ペルーのフジモリ大統領を援助ネタで恫喝したという。いやはやテロリストもなんとも頼もしい友軍を得たものだ。
 日本政府にはこれまでの(ハイジャック犯の要求に対して超法規的処置で受刑者釈放など)テロへの腰砕けの実績がある。そこから、日本政府はテロにビクついてテロリストの友軍となってくれるだろうと期待して、テロリストは日本大使館を標的にしたのだろう。そして目論見通り橋本首相はテロリストの友軍の役目を十二分に果たした。
 この橋本首相の処置は、日本人が恫喝テロの標的として極めて有用であることを、再び世界中のテロリストに喧伝した。
 一方、フジモリ大統領は断固とした処置によりテロリストを粉砕した。この英断はペルー政府及びペルー人への恫喝テロなど全く無意味であることを、世界中のテロリストに喧伝した。

 この橋本首相の態度は、ほとほと情けない。強気のテロリストにはやたら腰砕けだが、援助ネタで日本に弱い立場のフジモリ大統領にはやたら高飛車に大威張り。
 弱いやつには滅法強いが、強いやつにはおそろしく弱気。

 橋本首相が行うべきことは、びくついてチマチマとテロリストの要求を代弁することではなく、以下二点であるべきだった。

* 「我が国は今度の事件について、フジモリ大統領に全幅の信頼を寄せている。いかなる結果であっても最善の努力の結果であると信じている。」と、ペルー政府に表明すること。
* 「貴国の要請があれば日本のレンジャー部隊などを派遣する用意がある」とペルー政府に表明すること。

 あの時日本政府がこういう態度であったなら、フジモリ大統領を始めとしてペルー国民の対日感情は著しく良いものとなったであろう。しかし現実は、命惜しさにフジモリ大統領を援助ネタで恫喝し、おまけに自分は危険なことを避ける姑息な日本人のイメージ造りに大貢献したのみだ。

 「脅せば言いなり。」という態度は、ほとんど動物を思わせる。動物にとって重要なのは正しかどうかとか、誠実かどうかとか、誇り高い行為かどうかなのではない。その場その時に自分が得するかどうかだ。
 文化的な理性などなく、ひたすらムチを怖がりアメを貰って喜ぶ動物みたいな有り様。武士道とは全く逆の有り様だ。

 現在頻発するテロリストによる日本人拉致事件の要因の一つは、こういったテロリストや外国政府の恫喝に言いなりになってきた日本政府の積み重ねにあるのだ。
 今後とも日本政府は外国政府やテロリストなどからのあらゆる恫喝への腰砕けに終始するだろう。その結果、これからも多くの日本人がテロリストの標的となり、殺され奪われ虐殺され続けるだろう。特に外国在住の日本人が。